「情報整理」が必要なのはなぜ?

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まずは整理されていない情報の例を見ましょう。

この買い物リストは食材の名前が乱雑に散らばっているだけで、整理されていません。(なお、買い物リストなら「卵1パック」のように量も指定するのが普通ですが、今回の話題では省略してあります)

次に、同じ情報を整理した例(1つめ)です。

朝食用、昼食用、夕食用の3つに分類してあります。こんなふうに「分類する」というのは「整理」の中でも最も基本的な方法です。

でも、同じ情報を別な切り口でも分類できますね。たとえばこのとおり。

スーパーに行って買い物をするなら売り場ごとにまとめたこの分類のほうが便利でしょう。

それでは例(1)のほうは意味がないのか、というと別な状況で役に立ちます。たとえば、

「あ、そういえば今日の夕食はいらないんだった」

という事情を思い出したら「夕食用」をまとめて削れば済みます。

あるいは、スーパーに着いてみたらベーコンとピーマンが売り切れだった、というような場合でも

「ピザ作るんならサラミとオリーブでもいいだろう」

のように臨機応変に変更できます。これは、「ピザ用」や「夕食用」という、「用途」によって分類したからこそできることです。

こうしてみると、最初に出てきた「牛乳、チーズ、ベーコン……」のような単なる食材リストが、実は「食材を調達する、料理を作る、食べる」という3つの異なる段階に応じてそれぞれ違う切り口で分類できることがわかります。

情報を使う場面を考えて分類すると、短時間で確実に買い物できますし、「夕食いらない」「ベーコン売り切れ」のような例外が起きても柔軟に対応できます。これが「情報を整理する」ことの一番簡単な例で、つまり

整理しておけば仕事がしやすい

わけです。まあ、当たり前じゃねーか、というような話ですが、案外この「当たり前」をやっていないことが多いものです。これをやらないと、「いくら説明してもわかってくれない」「あいつの報告はさっぱりわからん」といった悩みが起きがちです。

実はこの「情報を整理する」ということ、見かけよりも難しいところがあるので、当たり前のように見えてなかなかできないのも無理もないのです。

だからといって「できません」と諦めてしまうわけにはいきません。現代の「仕事の効率を下げる」要因の最大のものは「人と人とのコミュニケーションギャップ」です。うまく説明が通じれば5分で済む仕事でも、説明が下手だと1時間2時間とかかってしまうことも珍しくありません。だからこそ、多くの社会人に「情報を整理して、わかりやすく説明できる力を身につける」ことが求められているのです。

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